LIVESTOCK ZOO開園

牧羊業という産業がある
羊は日本には一番向かない家畜と思われている
羊は毛の毛用家畜と受け止められているが世界的に見ると肉用緬羊の方が、数が多い
野生の緬羊は西アジアを原産としているアルガリ、ムフロン、ウリアルである
日本は、ご存知のように雨が多い地方であるし一年の間に雨季が存在する
一年中を通して乾燥地帯が望まれる羊にとって住みよい場所ではない上に、地価が高い
広い放牧地を必要とする緬羊には自然的環境的条件が整っているとは言い難い

しかし、日本にとって羊は無用のどうぶつであるか?私はそうは思わない
工業原料としての糸の生産を考えれば確かに、緬羊は適当な家畜とは言えない
しかし品種の豊かな毛の生産(小規模であるにしても)を考えれば日本の有利な点も考えられる
羊の品種を世界的に見ると、マンクスロフタンやソーイのように、島の海岸で一生を送るどうぶつもいる
そんな毛の特色を愛する芸術家も決して少なくはない

家畜の品種の多様性というのは必ずしも経済性だけで判断されるべきではない
太い四つ足に鋸毛の生えたアルデンナー(輓馬)、長い毛で全身を覆ったスコティッシュアイランド(肉牛)、赤肉の多いピエトレン・・・
決して経済性が優れているとは言えないけれども、そんな変わり者たちが世界中に飼われている
家畜は、経済性で選ばれるから自然の野生動物よりも盛衰が激しく儲からないものは淘汰される危険が高い
そんな珍しい家畜たちを集め、人とどうぶつとの関わりを見ていただくべく、この動物園をオープンさせることと相成った

当園の開園と今後の運営に際し、多大なるご支援を賜る株式会社ニコン様に最大限の感謝の意をここに表する

LIVESTOCK ZOO理事長 正田陽一